軽自動車

は、日本の自動車の分類の中で、最も小さい規格に当てはまる自動車。最近ではK-Car(けい・カー)とも呼ばれる(英語でも日本語の「軽」の発音からKei carまたはK-carと表記されるのが一般的である)。また、125cc超250cc以下の二輪車のこと。四輪のものを軽四輪、二輪のものを軽二輪ともいう。
海外でも多数例のあるキャビンスクーターなどは、バブルカーと呼ばれ、趣味の世界では別の分類とされている。ちなみに、韓国でも「キョンチャ(경차)」と呼ばれる日本の軽四に似た小型車の規格がある。(主な乗用車両はヒュンダイ・アトス、デーヴ・マティスなど)
コンパクトカー
とは、乗用車の形状の1つである。全長4400mm級以上の一般的な「中型車」や「大型車」(ここでは乗用車を意味する)に対して、こう呼ばれる傾向が強い。概要・定義
日本では一般的にボディは全幅が1700mm程度、全長が4000mm前後の5ナンバーサイズで、形はハッチバックやトールワゴンが主流である。エンジンは1000cc~1500ccクラスが主流である。最近では省燃費性、経済性に優れていることから人気が高く、現在の日本の販売市場においての主流車種と言える。
米国では日本のコンパクトカーより二回りほど大きめ(日本の区分では2000cc級のミドルクラス)になっている。全長は5000mm以下、エンジンは多くが4気筒エンジンを搭載するものが多く、排気量は概ね2400cc以下である。→Compact carを参照
なお米国では日本における「コンパクトカー」はサブコンパクトカーと呼ばれる。
ヨーロッパでは、AセグメントからBセグメントの下位がおおよそ日本でいうコンパクトカーに該当する。ヨーロッパ諸国において主流となっているクラスである。
日本におけるコンパクトカーの歴史
- 1960年代~1970年代
- 自動車そのものの普及を目指していた時代で、安価な他には「コンパクト」に別段の意味はなかった。
- *トヨタ・パブリカ
- :安価で信頼性の高い「国民車構想」を製品として実現した。兄弟車としてダイハツ・コンソルテも販売された。
- *日産・チェリー
- :日産初のFF車として70年代感覚を取り込み登場。のちにパルサーへモデルチェンジされた。
- *三菱・コルト
- :自動車産業へ伸び行く三菱のシンボルとして登場。しかし一旦消滅した。
- *スバル1000
- :水平対向エンジン搭載、車室のフラットフロア化等、技術的先進性をアピールした。
- 1970年代~1980年代
- オイルショックとニューファミリーの台頭により、経済的かつ実用的な「コンパクト」が求められた。
- *ホンダ・シビック
- :CVCCエンジンにより、排ガス規制にいち早く対応した。
- *三菱・ミラージュ
- :ニューファミリー向けのハッチバック車として大人気を博し、コンパクトカーの先鞭を付けた。
- *ダイハツ・シャレード
- :上質のデザインにより、コンパクトカーから「安物」のイメージを消した傑作である。また3気筒1000ccエンジン搭載も注目された。
- 1980年代~1990年代
- 経済性と実用性のみならず、「走り」も重視した「ライトウエートスポーツ」が登場した。
- *トヨタ・カローラII
- :ボーイズレーサーブームの1980年代初頭に登場。兄弟車として、ターセル、コルサもあり、80年代後半のモデルではTURBO搭載グレードやリトラクタブルも設定あり。
- *トヨタ・カローラFX
- :さらなる派生車種としてAE86レビンに搭載された、1.6ツインカム16バルブエンジン(4A-G)を搭載しスポーティな走りを可能とした。
- *トヨタ・スターレット
- :パブリカ後継となる実用性重視の車種に、ターボチャージャーを搭載し力強い走りを実現した。
- *日産・パルサー
- :2ドアクーペも存在した。1980年代中盤にはリア部分がハッチバック形態やクーペと載せ換えできるユニークな仕様も存在したが、国内では認可がおりず、どちらかの仕様で固定となった。兄弟車として、ラングレーがあった。
- *日産・マーチ
- :初代モデルはTURBO仕様もあり、さらに国産車では現代までにおいて唯一のスーパーTURBOも存在した。なんと過給器がスーパーチャージャ+TURBOチャージャー付きという2つのシステムが搭載されていた。
- *日産・Be-1
- :初代マーチベース。限定車として一時プレミアがついた。日産パイクカーシリーズ第1弾。なんとこの年代のコンパクトカーとしては2007年現在でも未だに流通している。
- *日産・パオ
- :初代マーチベース。日産パイクカーシリーズ第2弾。
- *ホンダ・シティ
- :シビックより下位モデルとして都会的センスあふれる小型車として登場。ホンダ市販車初のTURBO搭載モデルも追加発売され、さらに進化していった。
- *ホンダ・CR-X/シビック
- :軽量ボデーに高出力エンジンを搭載し、FFレイアウトのコンパクトカーでありながら、スポーティーな走りを実現した。
- *マツダ・ファミリア
- :既に1970年代にもハッチバックモデルとして存在していたが、VWゴルフをコピーしたFF2BOXとしてモデルチェンジし大ブレイクした。
- *スバル・ジャスティ
- :自社の軽自動車レックスと小型車レオーネの間を埋めるべく1980年代のコンパクトカーに参戦登場。
- *スズキ・カルタス
- :米国GMでのOEM販売を目的に開発。国内では軽自動車ユーザーからの代替目的で販売された。
- 1990年代~2000年代
- バブル崩壊に伴う経済低迷により、コンパクトカーも本来の経済性と実用性本位のコンセプトに回帰した。
- *トヨタ・スターレット
- :1990年代に入っても低価格で人気を保った。
- *日産・マーチ
- :1992年にフルモデルチェンジ。丸みを帯びたデザインと実用性の高さでロングセラーの地位を守った。
- *ホンダ・ロゴ
- :不発だった2代目シティ以降に名前も新たに登場するが、またも不発で1代限りとなる。
- *ホンダ・キャパ
- :コンセプト的には初代シティの再来にも見えたが、1代限りとなった。
- *マツダ・デミオ
- :1996年登場。「自由形ワゴン」の広告コピーが象徴する多用途性で、当時のマツダの経営不振脱出の推進役となった。
- *スズキ・ワゴンRソリオ
- :軽自動車の拡大版小型車として登場。欧州ではオペル・アジーラとしてもOEM販売された。
- 2000年代~現在
- 主なターゲット・ユーザ層が女性と言われ、経済性と実用性に加えてファッション性も重視されている。
- *トヨタ・ヴィッツ
- :愛らしい丸みを帯びたデザイン。
- *トヨタ・イスト
- :フィットに対抗し登場。シャーシはヴィッツベース。
- *トヨタ・ファンカーゴ
- :より多機能、多用途向けに登場。ヴィッツベース。
- *トヨタ・bB
- :不良でヤンキーっぽい若者向けとして登場。上記2車種と同じヴィッツベース(2代目はパッソ/ブーンベースで、兄弟車にダイハツ・クーもある)。
- *トヨタ・Willサイファ
- :おしゃれな若者向けとして登場。ヴィッツベース。
- *トヨタ・パッソ
- :デュエット/ストーリアの後継モデルで、トヨタのボトムを受け持つ車両として登場。兄弟車にダイハツ・ブーンもある。
- *マツダ・デミオ
- :2002年に登場した2代目はボディーカラー13色+特別仕様色設定に見られるように、カラフルな色使いを特徴に打ち出していた。
- :2007年よりファッション性を重視した外観として3代目にフルモデルチェンジを行った。
- *ホンダ・フィット
- :センタータンクレイアウトなどの技術で室内空間が大幅に広がり、2002年には年間販売台数でカローラを抜く大ヒットとなった。
- *ダイハツ・ストーリア
- :シャレードの後継車として登場。トヨタ・デュエットとは兄弟車。クローム鍍金をふんだんに取り入れ、お洒落感を演出していた。
ヨーロッパにおけるコンパクトカーの歴史
戦後欧州ではゴッゴモビール他、様々な小型大衆車が日本国内同様に登場し消滅したが、現代において有名な車種として、初代VWビートルに始まり、同様に約40年間に渡り基本的に同じモデルが製造販売されたミニを筆頭にシトロエン・2CVやフィアット・500あたりが源流。一時期は大型化へ進んだフィアット・128やシトロエン・GSがあるものの、オイルショック以降モデルチェンジされ新登場したフォルクスワーゲン・ゴルフⅠにルノー 5やフィアット・パンダといった小型車が開発され、当時のベストセラーとなった。この系譜を引き継いだのが後述の、輸入コンパクトカーである。(stub)
コンパクトカーの特質
一般的に指摘されているものを挙げる。利点
- 軽自動車より居住性が良く、ワンクラス上(1500~1800ccクラス、いわゆる大衆車あるいはファミリーカー、トヨタ・カローラなど)の車種に匹敵する車種も少なくない。
- ボディサイズが小さく、狭い街路や駐車場に入れやすい。
- 重量が1トン前後と比較的軽量であり、エンジンの排気量も手伝い燃費が良い。近年では軽自動車の車重が重くなっているため、自動車では一般的に最も車両重量に対する排気量のバランスがとれた燃費の良いクラスといえる。
- エンジンは市街地を中心とした走行であれば十分なパワーとトルクを持ち、交通の流れに沿って運転できるので、軽自動車に比べれば運転者の受けるストレスも軽い。
- 量販モデルは軽自動車と本体価格差があまりなく、軽自動車の上位モデルとの比較ではむしろ安いことが多い(ただし、税金などの諸経費込みの総額では同じ程度か、やや高めになる)。
- 量販車種は、軽自動車と比べると、中古価格が割安である(裏返すと、リセールバリューが低い)。
- 登録車(白ナンバー)である優越感が得られる。大きな車では扱いにくいなどの理由で小さな車が欲しいものの、「軽自動車では恥ずかしい」、「軽は小さいので安全性が心配」「軽では室内幅が狭い」というユーザーは、必然的にこのクラスを選択することになる。
- 軽自動車と比較すると、目視で判断できない基本性能(ボディ剛性、ステアリングフィール、乗り心地)は一般的にコンパクトカーの方が優れている場合が多い。
- 中古車購入の際に、軽自動車と比較した場合、コンパクトカーが価格は安いか同じ程度であるので、走行距離が少なく程度が良い掘り出し物が多く見つかる。また、税金、任意保険料、車検代等は軽自動車の方が安いが、古くなった場合の車体全体のヤレが違う。コンパクトカーは古い年式になると程度が良くても、購入層が少ないので店頭で売れにくく、走行距離が少なくて程度がよくても同じくらいの価格である。そのため程度の良いコンパクトカーを見つければ、修理費用がかからないので、同程度の価格で販売されている中古軽自動車より維持費用が安く上がるとも考えられる。
欠点
- 軽自動車のような優遇税制がなく、自動車保険料(自賠責保険、任意保険)も高い。
- 国内向けの一般モデルでは、ドライバーを女性前提で、中低速の市街地走行を前提として設計されているため、足回りの性能が割り切られている。高速を出すと安定しない傾向にある。ただし欧州向け車種や、一部のスポーツモデルでは高速走行が重視されるため、この限りでない。
- 国内向け車種では基本的に街乗り用として設計されていることから、上級小型車に比べ連続長距離高速走行では疲労が蓄積する。
- ワンクラス上(カローラ、ティーダクラス)の車種との車両価格差があまりない。カローラ、ティーダクラスの車種が特売(特にモデル末期時の大幅な値引き)されると、価格が逆転する場合もある。
- ボディサイズは小さめながら、居住性向上のためホイルベースを広めに取ることと、FFレイアウトで全長に対してロングホイールベースにより、車体サイズの割に小回りが効かない車種もある。
- 最近のコンパクトカーは安全対策上、車幅が1,680mmと小型車枠一杯が多く、いくら全長は短くとも、この車幅は1980年代のマークⅡ、クラウンの8ナンバーに匹敵し、狭い道のすれ違いなどに響く。さらにダッシュボードの奥行きがありフロント窓との距離が長い車種ではボンネットが短い割に取り回しにくい車種もある。
- リセールバリュー(下取り価格)が低い。
- 軽自動車同様、女性向きの車という外観のデザインイメージが根強くあり、男性から敬遠されることもあった。しかし近年ではそれを気にしない男性も増え、そういったイメージも薄れつつある。
- 全長が短いため、万一の衝突時の安全性に不安を感じる向きもあるが、近年のモデルではボディ剛性強化により衝突安全性の改善が計られている。
- 車種や仕様、車体色によっては、中大型車から軽自動車並みの扱いを受けて、割り込まれたり、煽られたり、ナメられる事もある。
現代のコンパクトカーの例
日本車
- トヨタ
- ヴィッツ、ist、パッソ、bB、ラクティス
- 日産
- マーチ、キューブ、ノート
- ホンダ
- フィット
- マツダ
- デミオ、ベリーサ
- 三菱
- コルト
- ダイハツ
- ブーン、クー
- スズキ
- スイフト、ソリオ
輸入車
- メルセデス・ベンツ
- Aクラス、スマートシリーズ(フォーツーKを除く)
- BMW
- MINI
- フォルクスワーゲン
- ルポ、ポロ
- シトロエン
- C2、C3
- プジョー
- 1007、:206
- ルノー
- カングー、ルーテシア
- フィアット
- パンダ:グランデ・プント
- ランチア
- イプシロン
- ヒュンダイ
- TB
関連項目
- 軽自動車
- 小型乗用車
- ハッチバック
- トールワゴン
- ホットハッチ
- サブコンパクトカー
- リッターカー
外部リンク